会津大短期大学部の森文雄教授(マーケティング論)の研究室は、柳津町と共同で「棚田など中山間傾斜地を利用したグリーン・ツーリズムによる地域づくり」事業を、29日から同町久保田地区で始めた。11月までに5回の体験会を開き、田植えや稲刈りなどの農作業を通じて田舎暮らしや農村の魅力を参加者に再発見してもらう狙いだ。
「グリーン・ツーリズム」とは、農村で自然や人との交流を楽しむ滞在型余暇活動のこと。1960年代にドイツで農業振興策として始まり、日本では90年代初めごろから広まった。
今回、棚田をテーマにしたのは、米価の長期低落傾向による耕作放棄地増加の打開や、高齢化が進む農村の活性化につなげるため。久保田地区(約120人)は、65歳以上の高齢者が半数を超える「限界集落」で、グリーン・ツーリズムの可能性を追求するには格好の舞台という。
森教授は、地域づくりの具体的な目標として「米のブランド化」を掲げる。従来の天日乾燥低農薬米に加え、さらに無農薬無化学肥料に挑戦。水田で水生生物を復活させ、食の安全性をPRしたい考えだ。山菜や炭などの林産物、特産品も利用する。
地元住民による「柳津久保田グリーン推進協議会」も発足し、参加者に農作業を指導するほか、町は「限界集落の挑戦」を紹介する広報誌やホームページを作成。県会津地方振興局も補助金対象事業としている。
29日の体験会は、地元の「久保田三十三観音まつり」に合わせて開催。約20人が参加し、観音参りやシイタケの植菌、山菜採りなどを楽しんだ。参加した猪苗代町の団体職員天野信雄さん(59)は「こうした取り組みが少しずつ広がれば、将来きっと村起こしにつながるはず」と話していた。
体験会は今後、田植えと山菜採り(5月25日)、ジャガイモ掘りとそば種まき(8月3日)、稲刈りとはさかけ(稲の乾燥)(9月28日)、収穫祭とそば打ち体験(11月2日)と続き、読売新聞では活動の様子を紹介していく。体験会(有料)の参加問い合わせは、柳津町地域振興課(0241・42・2116)へ。
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